ある意味でベタなこの課題、出題者である東浩紀さんによると、次のような意図があるようです。
いやいや、むろん、ぼくだってわかってます。きっとみなさんのなかには、ぼくなんかより科学知識の豊富なかたがいて、そんな手垢のついたネタよりもっと知的でわくわくする話題があるよ、そっちこそ本当の最先端だよ、人類を変えるんだよと言いたいひとが多いにちがいありません。そりゃそうに決まっている。科学の世界は広大ですからね。けれども、ほら、みなさんは「プロ」を目指すわけです。プロとはなにか。それはアマチュアを相手にする人々です。プロの作家とは、同僚の研究者向けに小説を書くのではなく(そういうひともいるのですが)、一般読者に向けて、「彼らが想像する最先端」を書かなきゃいけない職業です。そもそもプロになったら、週刊誌や新聞にも書かなければいけない。担当記者や編集者は、準惑星と小惑星の区別もついていないし、ウィルスと細菌の区別もついていないかもしれません。現実はそんなもんです。そしてそんななか、SF作家というだけで、AIや仮想通貨にも詳しいとカンチガイされ、コメントを求められる時代が来るわけです(来ないかもしれないけど)。そのときの準備をいまからしておこう、ということですね!
というわけで、2018年ならではの、AIあるいは仮想通貨ネタの楽しい短編を期待しています!
さて、プロ作家としてエンターテインメントに徹したと評価されるのはどんな作品でしょうか?
メインパーソナリティーを務めるのは前回に続いて高橋文樹、そして第2回ゲンロンSF新人賞受賞者のトキオ・アマサワ。ゲストにはSF創作講座OBでありメフィスト賞受賞者でもある名倉編さんをお迎えしています。
ざっくり結果だけ
- 維嶋津「涜神のスティグマ」3票
- 進藤尚典「AI、無人島を脱出できず」2票
- 斧田小夜「これからの祈りについて」1票
- 夏川 智樹「果実の冒険」1票
- 匿蔵まや「きつねの市へおいで」1票
- 甘士 河汀「Spheres are Equal」1票
今回は実作がなかったので、梗概全てに言及しました! これから一年間よろしくお願いします。